女子高生の日常×戦争~浅野いにお「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション1巻」~
本屋に行ったら浅野いにお最新作が出てたぞーということで買ってきた。作者曰く略称は「デデデデ」らしい。
8月31日に突如出現した『侵略者』たちとの戦争が勃発。そこから3年が経過した日本が舞台。またいつもの生活に戻りつつあるも、何かが決定的に変わってしまった世界で生活する女子高生・小山門出(かどで)、中川凰蘭(おうらん)らを中心とした日常を描いた作品。受験とか恋とか家庭の問題とか、門出たちの日常だけでも漫画の題材にするには充分だとは思いますが、そこに「侵略者との戦争」という要素を突き刺さることでカオスになっている。
「おやすみプンプン」のようにドロドロで暗い部分は今のところ見受けられない。
主人公が割とさっぱりした性格だからだろうか。かといって、この主人公の現状も決してどこを取っても健全という訳でもないですが。この漫画を強引に例える なら朝ドラで宇宙戦争を描いてみたような…そんな強引さと訳の分からなさのおかげで先の展開が全く読めません。そしてその先が気になる。
読めばわかると思いますが、『侵略者』の攻撃っていうのが2011年3月11日の東日本大震災にあたるのかと。たった一日で日常を奪い取ってしまった出来事も、時が経てばに埋もれていく。同じ事が2度と起きない保障もないけど、何とか日常を生きている。作品全体にそんな雰囲気を感じた。プンプンと比べると、デデデデはもうちょっとエンターテイメント寄りかもしれない。
浅野いにおの漫画でよくあるような、家庭内のちょっと重たい問題とかひたすら灰汁の強い脇役とか主人公のいかにも現代っ子的な描写とかそういうのが全く受け付けない!って人以外には面白く読めると思います。個人的にはプンプンよりはもう少し明るい話を期待しています。
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 1 (ビッグコミックススペシャル)
- 作者: 浅野いにお
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/09/30
- メディア: コミック
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