今時の(小説に出てくる)高校生ってこんななの?
読んだのは少し前だけど、本の感想を少し。
古典部シリーズでは今までになく尾を引く終わり方をする短編だった。
最近仕事で必要な資格試験の資料やら新書やら、結論が明確になっているものを読む機会が多かったせいか、読後の余韻を味わうという行いを随分していなかったように思える。まあ普通に物語を読んでもそういったことはたまにしかやっていなかったのだけど。つまり、小説自体久し振りに読んだということです。
今回は長編では無く短編集。帯には瑞々しくもビターな全6篇と書かれているように、読後はすっきり爽やか!という感想には至りにくい。今までもそういうストーリーはあるにはあったけど、今回は割りとそれが顕著に出ていると思う。もちろん前向きな結末も含んではいるけれど、離別や葛藤やらの成分が今までの古典部シリーズに比べると多い。
当然のことながら主人公的な立ち位置にいる折木奉太郎の過去にスポットをあてた部分も多い。斜に構えていてだるそうで、そのくせやけに洞察力の鋭い男子。彼の掲げる省エネ主義にもちゃんと所以があった。
それにしても今回は全編通して里志がすごい働いている。有能。