ログカラキ

音楽や漫画が好きな週末ロードバイク(Cannondale)乗りのブログ。

鬼頭莫宏「のりりん」が面白い

そう言えば自転車がテーマの漫画って読んだことが無いなあと思い「のりりん」を読み始めました。

 

のりりん(1) (イブニングKC)

のりりん(1) (イブニングKC)

 
 
おそらく今現在は知名度的には自転車を題材にした漫画と言えば弱虫ペダルが一番かもしれません。私自身、弱虫ペダルはアニメは観ていましたが原作は既に30巻近く出ている状態なので未だ手付かずという体たらく。これもいつかちゃんと原作を読みたい。あとかもめチャンスとかオーバードライブとかも面白そう。
 
話を戻しまして、のりりんの主人公は28歳のサラリーマン。そして大の自転車嫌いで断然の自動車派。自転車漫画の主人公なのに、です。第1話ではこんな事を言っています。
 
俺 自転車乗ってるヤツが 嫌いなんです
とにかく気持ち悪い というか
そのナルシストっぽいところがイヤだし
日常の中で汗臭い感じがイヤだし
スポーツだか移動手段だかはっきりしないのもイヤだし
非日常を無理矢理日常の中に持ち込んでるそのガキっぽさがイヤだし
マゾだかサドだかはっきりしないところもイヤだし
なんだか妄信的で自分達こそ最高みたいなかんじもイヤだし
興味のない人間にも強引に勧めようとするのも イヤだし
 
とてもこれから先自転車に乗るとは思えない発言ですね…。
しかしある事がきっかけで免停になってしまい、渋々とですが、そこからロードバイクに乗るようになります。
 
正直勢いが出せるような絵柄でも無いせいか、走っているシーンの躍動感というより趣味としての自転車とどう向き合って行くかに重きを置いて描かれています。かつ、主人公が最初は自転車嫌いな為、自転車こそ史上最高の乗り物!なんていう自転車原理主義に走っていません。確かに、自転車は楽しいけど決して万能な乗り物では無いですし。そもそもメリットデメリットなんてどの乗り物にもありますから。
 
自転車は歩道を走るのか車道を走るのか。実際問題今の日本の法律では原則車道を走ることにはなっているようです。しかし歩道での通行が禁止されている訳でもないという曖昧な状態。つまりどちらを走っても良いと言えば良いのです。
 
以上の話題は作中に出てくる老松さんというベテランの自転車乗りが言った事の一部で、その老松さんの台詞に頷いたり勉強になるなあと感心したりしています(勿論鵜呑みにはしないで1つの意見として参考にしているだけですが)。確かに歩道を爆走するママチャリは歩行者からすれば恐ろしい存在だし、車道を走れば車からは邪魔だと感じられることもある。道の上での自転車は、限りなくグレーな存在になってしまっていると言えます。
 
輪(表紙に乗っている娘)の母親の蘊蓄を受け入れられるかどうかで、自転車そのものはともかくとして、この漫画を面白いと言えるかどうかが決まると思います。
 
まだ連載中の作品で、現在9巻まで出ています。頑張れば集められるし漫画喫茶で一気に読むことも出来るであろう丁度良い長さですので、ちょっとでも街中で見掛けるやたら細い自転車に興味があれば是非ご一読を。